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下水道局からの依頼
異議申立てをおこなってから数日後、下水道局から2名のがN宅に来た。
話の内容は「異議申立てを取消して欲しい」と言うものだった。
N宅は自分の申請書などの公開も請求していたのだが、それに関しては下水道局に来てもらえば
自分の家の申請書なので見せることはできる、コピーを取ってもらっても構わない。
しかし、K、N宅の書類は印影などの個人情報が沢山載っているので公開することはできない。
と説明があった。
異議申立てをすると公開を拒否した理由を文章で回答するのが通常なのだが、
それを口頭で説明する変わりに異議申立ての取消しとなるのである。
N宅が自分の家の申請書を見れるのは当然の話であり、K、H宅の工事申請などに問題があるために書類
の閲覧請求をしたのに「個人情報があるので公開できない」との回答や口頭での説明だけでは到底納得で
きない。N宅は説明に来た下水道局職員に対し「文章で異議申立てをしたのだから、回答もきちんとした文
章でして欲しい、自分の家の申請書は見せてもらえるのなら、それはコピーして郵送して欲しい」と伝えた。
そしてもう1点、H6年にH宅が工事をしようとして未遂に終わった時の書類が
「該当する文章は有りません」となっている事について尋ねると、
「H7年のH宅工事の時に正式な書類が上がってきたので処分してしまった。」との回答であった。
公文書と言うのは保管期間というものが設けられており、
通常は勝手に処分できない事になっているのだが、この場合それを無視して処分してしまったと考えられる。
なんとも都合の良い話である。
数日後、N宅の申請書コピーが送られてきた。
非公開理由説明書
異議申立てをおこなってから2ヶ月以上経って、非公開理由説明書が送られてきた。
@ A B
@は非公開理由説明書の送付及びこれに対する意見書の提出について(依頼)
市の下水道局から公文書公開審査会あてに、非公開にした理由書が送られてきたので、
検討して反論があれば審査会宛てに意見書を出して、且つ口頭で話したい場合も申出てください。
との内容。
A審査会を通じ申立人より異議申立てがあったので説明書を審査会に提出するとの文章。
B非公開理由説明書
1 異議申し立てに係わる経過(概略)
(1)申立人より公文書閲覧請求がなされた。(2)個人情報として閲覧拒否。(3)異議申立があった。
2 本件申請書に記載されている事項
本件申請書には@申請者住所、氏名、印影、電話番号A土地所有者住所、氏名、印影、電話番号B設置
場所の地番C申請内容(汚水取付官、雨水取付官、雨水接続ますの区分及びチェック欄)D敷地面積E使
用者氏名、、印影F建物面積G建物所有者氏名、印影H申請手続(中略)I施工業者名J調査費K施工
日L案内図M下水配管図の各記載欄があり、また、申請者、土地所有者、使用者及び建物所有者が工事
施工に伴う当該敷地の使用と接続ますの設置について承諾する旨の意思表示にかかわる文言の記載があ
る。
3 本件申請書の性格
本件申請書は、下水道法第10条1項の規定に基づき、個人が公共下水道の使用を開始する為に当該個人
の排水設備を公共下水道に接続するための工事をK市市長あてに申請する文書である。
4 非公開とした理由
本件申請書は上記3で記載した通り、個人がK市長あてに申請した文書で、特定個人の居住状況に関する
事項についての申請行為に係わる情報であり、当該個人の個人生活事項に該当する為、本件申請書全て
が条例第7条第1項第1号の個人情報に該当するものである。
さらに、本件申請書には、上記2で記載した通り、特定個人の住所、氏名、印影、敷地面積等の個人生活事
項に関する詳細な記載があり、本件請求が特定個人を指定した請求である事から、個人生活事項について
の特定の個人が識別される為、非公開としたものである。
当然、N宅はこの理由では納得いかないので、意見書と口頭陳述を申出たのである。
意見書 口頭意見陳述書 意見書見本 補佐人見本
意見書内容
工事説明会の時に「この工事は、公共工事である」と再三、市職員が説明していたのも関わらず
今になって、この工事は個人が私的に行った工事であると解釈するのは都合よすぎる。
個人が自己の意思で自発的に申請する性格のものであるならば、
個人が市に工事申請書を請求した時にはじめて当該申請書を市が配布すべきであり、
公共工事説明会の書類の中に当該申請書が含まれていたということは、
この工事が公共工事として行われたものであり、一概に非公開理由の3に該当するとは思えない。
口頭意見陳述書内容
異議申立人がK市市長を相手として行ったK市情報公開条例に基づく
公文書閲覧等請求に対する拒否処分に関する異議申立について、
貴審査会において口頭での意見を述べる機会を与えてくださるよう申し上げます。
工事説明会の話とは全く違う状態である。
結局は、工事をスムーズに行いたいために市職員が口先で市民を脅かし、
後々問題が起これば、開き直ったり、都合の良い言い訳をしたり、事務手続きを誤魔化しているのである。
公務員と言えども信頼するに価しない人々である。
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